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「あたし待っていましたのよ、毎日、あなたが来て下さるかと思って、この花が咲きだしてから、毎日毎日、雨の日にも此処へ来て、待っていましたのよ、・・・・・・でもあなたは来て下さらない、花がさかりになり、さかりを過ぎ、もう残り少なになっても、それでもあなたは来て下さらない、もうだめ、・・・・・・あなたはもうひさ江のことなんかお忘れになったのだ、そう思いながら、やっぱり諦めきれずに、此処へ来て、待っていましたのよ、あなた」「もっとお云い、いくらでもお云い、でも私を勘弁しておくれ」【凌霄花】

· · 山本周五郎作品より · 0 · 0 · 0
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