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たいせつなのは身分の高下や貧富の差ではない、人間に生まれてきて、生きたことが、自分にとってむだでなかった、世の中のために少しは役だち、意義があった、そう自覚して死ぬことが出来るかどうかが問題だと思います、人間はいつかは必ず死にます、いかなる権勢も富も、人間を死から救うことはできません、―――そして、死ぬときには、少なくとも惜しまれる人間になるだけの仕事をしてゆきたいと思います【日本婦道記 風鈴】

· · 山本周五郎作品より · 0 · 0 · 0
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