ゼノ光 現パロか?思いついたメモ
「なんだ、お前。人間みたいだなぁ。」
額から血が滴る。顎へ伝い、ぽとりと落ちる。それは大地に赤く染みる事なく、足元の虚空へ無限落下していった。
そんなふうに、私も落ちるはずだった。それで終わるはずだった。全力を放って、全力を喰らって、満足さえしていた。
なのに──
「人間なんかになるなよゼノス。バケモノだろ、私と同じ……。」
脱力した四肢に苛立ちながら、相対する顔を強く見つめる。ゼノスの表情は激しく動揺したまま変わらず、私の胸ぐらを掴んで硬直している。
自分のした事が信じられないのだ。
手を伸ばした事が。
敗北者を助けた事が。
私を掴んだ事が。
大きく見開かれた目に、青い瞳が揺れている。