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伝道者は言う、空の空、空の空、いっさいは空である。日の下で人が労するすべての労苦は、その身になんの益があるか。世は去り、世はきたる。しかし地は永遠に変らない。日はいで、日は没し、その出た所に急ぎ行く。風は南に吹き、また転じて、北に向かい、めぐりにめぐって、またそのめぐる所に帰る。川はみな、海に流れ入る、しかし海は満ちることがない。川はその出てきた所にまた帰って行く。すべての事は人をうみ疲れさせる、人はこれを言いつくすことができない。目は見ることに飽きることがなく、耳は聞くことに満足することがない。先にあったことは、また後にもある、先になされた事は、また後にもなされる。日の下には新しいものはない。「見よ、これは新しいものだ」と言われるものがあるか、それはわれわれの前にあった世々に、すでにあったものである。前の者のことは覚えられることがない、また、きたるべき後の者のことも、後に起る者はこれを覚えることがない。

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