先輩は記憶が戻ってるんだけど、どうもやんは忘れているみたいだと良い。
数日後、やんと同じ電車に乗り合わせた先輩。やんを引き止め、先日の経緯を話すんだけど、寄りかかってきたことや、先輩の腕を叩いたこともすっかり忘れているやんです。
「そんなに眠りこけてたんですか、それは……失礼しました」
「気をつけろよ」
先輩も過去のことを全部を話すべきか迷っていると良い。
別れ際に、やんがふにゃっと笑って言うんですよ。
「……あなたの隣だと、不思議と安心して眠くなっちゃうんですかね」
なんて言うから、先輩はもうお前を離さないモードになってしまい、とりあえず電話番号を交換するといいです。
記憶を取り戻すのはまた後のお話。